ブレーキはパッドだけ換えておけば良いというものではない、ディスクローターだって着実に減っていくものなのである。当地では融雪剤の影響もあって、錆びて痩せていく部分でもある。レコード盤状に溝が出来て減っていくと、どうしてもパッドの当たりが悪くなるし、そのまま新品のブレーキパッドに交換しても本来のブレーキ性能を得られない。そこで、基準より減っていればディスクローターを新品に交換、まだ使えそうなら面を出すために研磨するという方法がある。本来はパッド交換毎に研磨するのが理想ではあるが現実なかなかそうもいかない。 しかし今回、パッド交換二回目となる。ジャダー*1も出てきているので、ディスクローターを交換するか研磨するか検討*2、ディスクローターの残厚が研磨した状態で4mm以上*3確保できるとしたら、新品より安価で廃棄物が出ない = 財布的にも環境的にもエコであること、新品と違って熱履歴があるため研磨して平面を出していきなりブレーキをかけても歪みが出ない、というようなメリットもあるわけで、今回は研磨でいけそうであるということで研磨をお願いすることにしたの巻。
ブレーキに関しては東京ラジエーター大館さんに全幅の信頼を寄せている。何しろ、
ブレーキ部品材料専門店である。向かいはイエローハットという構図が実にシュール。秋田市から大館市まで約100km走行しての訪問となる。車両持込でディスクローターを外し、研磨をお願いすると同時に新品のブレーキパッドを購入し、その場で交換して帰ろうという作戦である。到着するやいなや、フロアジャッキをお借りして持参したウマに上げる。
そう、あくまでもディスクローター研磨をお願いしたのであって、タイヤを外して、メガネレンチでキャリパーとキャリパーサポートを外して、っていうのは自分で作業するわけ。この間、店主は配達やら何やらで忙しいわけで。
・・・ここで針金を持ってくるのを忘れたことに気が付く。キャリパー吊っとかないと・・・針金ありますか?・・・スミマセン、ってことで、針金をお借りしてキャリパーをサスに針金を絡めて吊る。これでディスクローターを外す準備は出来た*4。
ディスクを外そう・・・サービスホールが無い・・・こりゃダブルハンマーとかで外さなきゃ駄目ですか?ってことで、下手にやると割るから、と、外すのをやって頂くことにする。
外れたディスクローター。
やはり、外側よりは内側が減っている。ピストン片押しの場合はそういう傾向にあるのが普通だそうだが、削った後で4mm残るようなら研磨は可能、それ以下ならお断りなのだそうである。まぁ、各車種それぞれに磨耗限界値はあるだろうが、強度や耐久性からいっても一般的にはそういうもんでしょうな。駄目な場合は新品ディスクローターにするしかないわけ。
さて、レコード盤状の減りはまだかわいいもんで。内側はこれだけ段付きに減っていて、パッドの当たる面積が80%くらいになってしまっている。つまり新品のブレーキパッドに交換したところで結局は段付きに減ることになってしまうわけで、やはりここは研磨した方が良い。
外したディスクローターはサンドブラスターのお化けのような機械に入れられた。砂を吹き付けて錆を落とす。
で、その間にハブの汚れ・錆び取りして下さいねーというわけで、ワイヤーブラシとサンドペーパーでガシガシやって頑張る。これをやらないと、ディスクローターの錆はすっかり落ちているわけで、平面が出ないからブレてガタガタいうわけである。もちろん新品に交換する場合もこの作業は必要で、これをしないでパッドを無駄に減らす人が多いらしい。
こんなもんですかね?と見てもらうと駄目出しを喰らった(笑)。指で触ってもわかんない世界。プロは厳しい。
外はこんなに雪が降ってるし、ジェットヒーター焚いてもらってるけど寒くて手と膝が痛い。
で、サンドブラスターから出てきたローターは旋盤に掛けられる。専用治具でセンター出しされて綺麗に削られていく。素晴らしい。
1mmも削ってないらしいが、綺麗に面が出た。
ハブに当たる取り付け部分と外周にジンクコートが塗られて完成。同じモノとは思えない。
取り付けるとこんな感じで。まるで新品。非常に良いです、非常に良いです。工賃は税抜6500円。
新品パッドは同時購入、今回は東海マテリアルのMN-360M(税抜4500円)、純正然としている。
これを組み込んで、約2時間で作業完了。帰路のブレーキフィールはがらっと変わり、剛性が出たなぁ、という感じ。満足度は高い。