ビルトイン食器洗い乾燥機を後付けする

当時はそれほど必要ではなかった

我が家は2000年に新築した当時、ビルトイン食器洗い乾燥機(以下、食洗機)を付けなかった。理由はいろいろあるが、当時はそれほど必要としなかったのだ。我々夫婦は当時から共働きであり、奥さんは看護師のため夜勤もある。必然的に、料理や洗い物をやる機会はお互い様となるが、夫婦二人住まいで食器の量もたかがしれていたから手洗いで良かった。

2010年現在、切実に必要を感じた

息子が生まれ、立って歩き回るようになった頃から様相は変わった。何かと忙しく、夕食の洗い物が朝も残り、朝食の洗い物をさらに追加して残し、それらを放置したまま息子と自分は保育園と会社に出かけ、奥さんが夜勤明けで帰ってくるとシンクの中がカオスになっているということが多発。これはまずい、ということで食洗機の導入を真剣に検討することにしたのである。

据え置き式がNGな理由

ビルトインタイプはそもそも高価である。後付けになる場合、たいていの人は据え置きタイプを選ぶだろうが、我が家ではNGなのである。そもそも据え置きタイプが好みではないのと、吊り戸棚の下に水切り棚を付けたためワークトップ上部の空間が45cm強しかないのだ。世の中に出ている据え置きタイプの食洗機は本体高さが45cm前後で、扉がさらに上に開くため50cm以上のスペースを必要とするから物理的に置けないのだ。ここはやはり、ビルトインでなければならないのである。

調査と見積

後付けでビルトイン式が取り付けできるのか調査が必要である。まずは我が家のキッチンのメーカーであるクリナップのショールームを10年以上ぶりに再訪することにした。我が家の新築工事を依頼したハウスメーカーの標準システムキッチンはタカラか松下電工(当時、現・パナソニック電工)の二択だったが、当時秋田にあったキッチンメーカーのショールームを全て*1回ってカタログ集めて詳細検討した結果、キッチンはクリナップがとても良かったので、それを別途契約した。取り付け施工を含めクリナップに依頼し、その分の部材代と工事費を住宅工事契約からは差し引いた。つまり、こだわりを持ってクリナップにしたのである。

大きな理由はフロアコンテナ(足元収納)。それだけで収納力は1.5倍から2倍も違うので相当魅力的だったし、換気扇フードや引き出しレールなどに少々高級感もあった。色も好みだったのだ。というかキッチン周りはタイル貼りとしたかったのでスペインタイルを調達、水色と白のスペインタイルを歩留まり分10%を含めて買い付け、これは部材の施主支給として工務店に施工を依頼したのだが、これに合うキッチンを探した結果でもあって、薄い水色が実によく合ったのだ。総額は少々高くなったが、かなり満足の行くものになった。

クリナップのショールームに行き、食洗機を後付けしたい旨を話してみると、現在使用しているキッチンは既にモデルチェンジ*2しており、取り付けられる食洗機があるかどうか現物確認を要するという。見積は無料ということなのでそれを依頼する。クリナップサービスという専属の業者がいて、後付け経験も豊富だというからある意味では純正であり、安心である。そういうことならリフォーム業者でも同じようなことをやっているかもしれないと思い、隣にあるホームセンターコメリに行き、別の日で見積を依頼した。どっちがどうか、相見積を取るのはモノの値段や工賃が適正かどうか確認するためでもあり、クセになっている。

工事決定

クリナップサービスの見積が出た。機種はZWPP45M08ADK、定価143000円に対して114400円、つまり20%引き。給排水部材が12000円、化粧パネル15000円、工賃20000円、税込169470円と出た。一方コメリはZWPP45R07ATSを選択、定価143000円に対して114400円、つまり20%引きでここまでは同じで工賃に関しては別途見積とある。機器の違いはなんだろうか、と調べてみればクリナップは奥行き65cmでコメリは60cmなのだ。大きい方がいいに決まってるが、実際にキャビネットはどうかというと、60cmしかないのである。クリナップに確認を取ると改造で対応できるという。なるほど、そうなのか?

我が家のキッチンは向かって右からコンロ、浅型収納付引き出し、シンク、そして左端が深型引き出しであるが、シンク下の引き出しは奥行き65cmあるのに対してその両側は60cmしかない。おそらく奥が葺かされていて単なる空間になっているのだろう、要するにコメリは無改造で対応したいわけで現実的な選択をしたということになる。確認すると改造ともなれば工賃が跳ね上がるとのこと。しかも新型のフロアコンテナキャビネットに交換しないといけないという。つまり、そこに食洗機を入れるだけで扉は総交換、何とも馬鹿馬鹿しい話である。

それを回避したいので改造できないかというと、やはり工賃が跳ね上がるようだ。しかもシンク右側にしか付けられないというではないか。浅型収納が無くなれば、箸やスプーン、フォーク類の収納が極めて困難になるし、それは受け入れられない。ならば、と引き出しの付け替えも出来るようだが、左端にそれが来るのは当初の使い勝手と大幅に変わるのでそれでは困るのである。それなら奥行き65cmタイプを改造対応でシンク左側、キッチン左端の深型引き出しの場所に入れてくれるというクリナップサービスの工事内容が正解だと確信したのでコメリは断り、クリナップに工事を申し込んだ。

ZWPP45M08ADKという機種はクリナップのカタログにはあるが、ネット上での検索には全く引っかからない。機種の外観から想像するにパナソニック電工のNP-P45V3PK-KのOEMだろう、と思ってこれの取り付けについて調べてみるとPDFで施工説明書が公開されている。見るからに素人施工では無理な感じである。いや、取り付けや配管は出来るだろうが、扉の加工や養生が必要になる。改造の件もあるし、工賃2万円は適正というよりむしろ安いと思った。しかも化粧パネルは近い色があるのでそれでよければサービスしてくれるという。特にこだわりは無いのでそれで頼むことにした。2010年1月下旬に申し込んで2月13日の工事が決定した。

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ここに埋め込むわけである。このフロアコンテナ(足元収納)は生かしたままで、きちんと取り付けが可能なのはうれしい。ここのフロアコンテナにはカセットコンロやガスカートリッジを入れている。ガスは立てて置ける高さがあるので収納スペースとしてはかなり良い。

排水工事

まずは先行で床下まで20Aブレーカーを介して電気工事、配線は済んでいたので、引き出し奥の壁のぶち抜きから始まった。ぶち抜くと構造体本来の壁が出現した。つまり5cm以上無駄な空間があったわけである。最初から65cmの引き出しが入っていればよかったのに、と思いつつも、これで大きな食洗機が付くと思えば安堵した。どうせ見えなくなるところだし、特に問題はない。次に中間の棚板を新規に取り付ける工事にかかった。そこに食洗機本体が設置されるようだ。そして前を固定して、食洗機の引き出しが出るようになるわけだ。

次に配管の穴を開けるためφ40はありそうなホールソーで引き出しと引き出しの間の奥の横壁に穴を開けた。給排水の配管や配線が通るのだろう。その次に床に穴を開けて排水管を通し、床下で排水管の本管を切断、T字ジョイントを入れて接続された。ホールソーは持ってないので、これはやはりプロの仕事の方が間違いが無い。すぐ隣に小さい穴を開けて電気配線を引き出した。

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床下を点検口から撮影。排水管にT字ジョイントを足して、食洗機の排水管を接続している様子がわかる。

そして食洗機本体を入れる。入れる際には手伝ったが思っていたより重くてでかい。入れると、上部と下部にやや隙間が生じる。ここに不要になった扉を切断加工して養生するのだという。なるほど。いずれにしてもキッチンに床下点検口があってよかった。無かったらどうやって工事するんだろう?

給水工事

次に給水工事だ。シンク下で給湯の配管を分岐して、食洗機に接続する。

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シンク下を撮影。キッチン内部のため外からは見えない部分ではあるが、きれいに仕上がっている。給湯ホースが分岐され、シンク左の食洗機にバルブを介して給水される。排水はL字になって床下でシンク排水と合流するというわけだ。パッキンは全てノンアスベストパッキンを使用してくれたし、給水部材も黄銅の部分はステンレスに交換してくれたのでよかった。実に良心的。

水栓交換

ついでに水栓交換工事を施主支給で依頼した。工賃は4000円。使用中のTOTO製のハンドシャワー水栓TKG32UPBKXがグラグラするので使い勝手が悪いし、最悪は壊れるだろうということで。

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見積の際に外して締め付けできないか聞いてみたのだが、ほぼ不可能だという。そんなアホなと家を建てた当時に保管してあった施工説明書を参考に外しにかかったが、どんな工具を使っても全くびくともしないのだ。最悪壊すことを覚悟でKNIPEXのウォーターポンププライヤーで直接回してみることも試みたりしたが、傷が付くだけで全く回らない。強固な水垢によってネジのカバーが全く外れないのである。素直にプロに依頼して交換することにした。

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選択したのはINAXの浄水器内蔵型シングルレバー混合水栓(寒冷地仕様)、JF-6450SXN(JW)、Yahooショッピングの一番安いところであらかじめ調達(20256円、送料700円)、施主支給として交換のみを依頼した。まともにクリナップ経由で手配すると4万円もするので、約半額で調達できたのだ。交換工事は食洗機と同時工事で多少安いというのもあるが、工賃4000円では割が合わない感じでこっちの方がむしろ大変な感じがした。DIYでは絶対無理だったな・・・プロの仕事によっても外すのに1時間も要した。交換後はプラスチックな雰囲気からシルバーめっきとなり、ちょっと高級感が。しかも浄水器内蔵でハンドシャワー、実に良い。

養生工事

最後に不要になった引き出しの扉を切断し、上は約3cm、下は約5cmのパネルを丸鋸で切り出し、キャビネットを加工、養生する。これで見た目は全く違和感は無い。これだけのことなのだが、対応できないとキャビネット総交換なんてちょっとどうかと思うぞ。何より、この部分だけでも扉が少し残れば、見た目の違和感はぐっと軽減される。

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付いた結果はこうだ。何の違和感も無く収まっている。無料サービスの化粧パネルは加工を忘れてしまったとのことで、次の日に付くことになった。まぁ、ブラックフェイスでも全然問題ないんだけどね。シルバーのモデルもあるのだが、それだけで15000円もUPするので却下、というか、業者が全く薦めなかった。だって色が違うだけだし。うちらもその辺のこだわりは全然無いのでね。

Before

いわゆる普通のキッチンですな。

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上の引き出しには醤油だの、みりんだの、或いは酢だの、といった嵩張る瓶の調味料を入れていただけなので、まぁ、収納の工夫でこれらはどっかに行っていただくことに。

After

ワークトップから本体までの隙間約3cmと、本体からフロアコンテナまでの隙間約5cmに、不要になった引き出しの扉を切断加工して取り付けてある。いい仕事である。

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これを無改造でやろうとすると、扉の総交換となるようである。それだけで5万円はUPするので現実的ではない。きちんと改造対応できる業者は良心的である。

キッチン全景。

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このように吊り戸棚の下にオプションの水切り棚を付けたのでワークトップ上部の空間に高さが無く、据え置き式はNGなのだ。左の壁には一応いろいろなことを想定してコンセントも設けてはあるが、まぁ、たまに使うジューサーなどに使うから無駄にはなっていない。

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シルバーグレーの化粧パネルが入った。若干色は異なるが真っ黒よりはやや違和感が軽減。無料サービスだから良しとする。つまり当初の見積より化粧パネル分はカット(-15000円)で、水栓交換工賃が+4000円、差引-11000円でクリナップサービスへの支払総額は税込157920円となった。水栓の分が20256円、送料700円でこれも足すと今回工事の総額は178876円である。

雑感

1950年代後半、白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機の家電3品目が三種の神器とされたそうだ。自分が生まれたときはテレビも冷蔵庫も洗濯機もそれぞれ家にあった。ぎりぎり白黒テレビが家にあった世代だし、冷蔵庫も裏にぐるぐると放熱パイプが付いていたのがあったのを覚えているし、洗濯機も二槽式がこないだまで実家にあった。だけどそれらが無い生活というのはどういうものであったかは想像を絶する。いずれもあって当たり前になってしまっているからだ。まぁ、今やテレビこそ無くても生きていけるが、冷蔵庫や洗濯機が無かったらどんなに大変であろうかと思う。

2003年1月31日の施政方針演説で小泉純一郎首相(当時)は、食器洗い乾燥機・薄型テレビ・カメラ付携帯電話を新三種の神器と命名した。テレビはテレビだ。白黒がカラーになって、アナログがデジタルになって、ブラウン管が液晶になってもテレビには違いない。携帯電話を初めて買ったときはそこそこ感動したが、それは電話に過ぎなかった。デジタルカメラを買ったときもそこそこ感動したが、それはカメラに過ぎなかった。それらが融合してカメラ付携帯電話が登場し、さらにテレビも見れますよって状態まで進化してもそれほどの感動が無かった。それは既にあるものがそれぞれ進化したカタチに過ぎないからだと思う。が、食洗機には感動があるのだ。

洗い物に関わる時間が数十分から5分程度に減るというのは革命的なことだと思う。きっと、洗濯機が登場したときは時の主婦らが同じ感想を持ったことだろう。手洗い洗濯は重労働だし、すすぎや脱水を全て手でやるなんて今さら到底考えられん。イマドキ洗濯を洗濯板でやる人はいない*3と思うし、洗濯機は既にスタンダードであり、それで洗濯をすることが当然になっている。ある意味では洗濯機を過信しているところがあるのに、食洗機に関しては皿なんて手で洗えるし、本当に汚れが落ちるのか信用できないみたいな感じ*4に言う人がいる。否定的な意見、というかアレルギ反応に似た空気があるのは何故か。

まぁ、きっと洗濯機が登場したときも同じことを言う人はいたと思う。それとは別の視点で、頭ごなしに贅沢設備・セレブと批判する人もいる。いずれにしても食洗機の立場は洗濯機のそれに比べればまだまだマイノリティーだと言わざるを得ない。まぁしかし、これだけは断言できる。手洗いとの比較では完全に食洗機の勝ちである。乾燥機能付きの全自動洗濯機と手洗いじゃ勝負にならないのと同じである。家事労働の軽減という意味でもそうだし、仕上がりの綺麗さも素晴らしいの一言に尽きる。

もちろん、完璧ではない。たまに洗い残しもあるかもしれない*5し、手洗いしか出来ないものもある。しかしそれは洗濯物の汚れ落ちがイマイチな箇所があったり、或いは洗濯機で洗濯できないものがあったりするのと同じであって、機械のやることは完全ではないだけのことだ。しかし、ほとんどの皿やコップは手洗いより確実に綺麗に洗い上げて乾燥させるし、9割方失敗は無いのである。ぶち込んでセットすれば綺麗になっているわけだから、これは本当に素晴らしい家電である。映画・三丁目の夕日で三種の神器である白黒テレビ・冷蔵庫・洗濯機が来たときの感動がそれぞれ描かれているが、食洗機の導入はその感激を今後自ら味わえる数少ないモノの一つであると思う。

と、いくらここで声高に叫ぼうとも、メーカーが本気で売る気があるのかイマイチわかりかねる部分がある。そもそも手洗いに比べて大幅に水を節約的なアプローチというか、エコを全面に出すのはどうなのか。取り付ける前(1,2月の平均)と比べて電気の使用量は41kWh増加(3,4月の平均)、水道の使用量に増減は無かった。これまでも洗い物に関しては節水にかなり気を遣ってやってきたし、水を出しっ放しにするなんて到底考えられないし、それは皆さん同じだと思うわけで。私のように、コスト削減ではなく家事時間の削減のため導入する、という考えで何が悪いのかと。しかも手洗いでは不可能な高温洗浄や高温乾燥*6、食器を誤って割るリスクの低減、収納を兼ねるメリットなど、他にもいいことは多数あるはずだ。

まぁ、子供の相手をする時間が少し増えたのが一番よかったかな。この家電、ものすごくいいですよ。

電気代考察

食器洗い機を付けたのが2010年2月である。3月の電気代の伝票を見ると、検針対象期間は3/8から4/6、ほぼ毎日食器洗い機を稼働していた期間である。昨年3月の伝票、つまり食器洗い機が無かったときの数値と比較すると、41kWhの増加であった。カタログ数値でいうと一回当たり0.45kWhだそうで、計算上は13.5kWhしか増えないはずなのだが、2009年に比較して寒いので暖房の稼働も多かったし、単純比較は出来ない。とはいえ、千円も違わないことは確かなようである*7

水道代考察

同様に水道代の伝票(2~3月分)を昨年の同時期と比べたが、使用量に目立つ増減は無かった。毎日1回以上の稼動ではそんなに変化は無いようである。水を流しっ放しですすぎをしているような人は売り文句どおりエコにつながるかもしれないが、なるべく水を止め節水を心がけていた我が家ではそんなに変わんないだろうなぁ、とは思っていたが本当に変化がなかった。一ついえることは、手洗いする時間が減ると冬場の給湯機の使用状況には変化が出るかもしれない*8。今後も料金には注視したいが、時間の余裕は相当出来ている。

洗剤考察

粉仕様と液体仕様とタブレット仕様、大きく分けると3種類ある。当初は粉を使ってみたが、どうもすすぎ残りが出るようである。タブレットは一個ポンと入れれば良いので楽ではあるがコスト的に高い。というわけで液体に落ち着いた。各社使ってみたがCHARMYクリスタが最近のお気に入りだ。


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*1 クリナップ、サンウェーブ、タカラ、TOTO、トステム、日立化成(当時、現・ハウステック)、松下電工
*2 クリンレディの旧型
*3 もちろん手洗い指定のものは手洗いでやるでしょうけれど、ここで言う意味は通常の洗濯のこと
*4 自分自身そういうところがあったけれど
*5 たいていは食器の置き方のに起因する、つまり人的ミス
*6 殺菌効果は相当なものだと思う
*7 その後、4月、5月と注視したが、概ね500円~1,000円の増加となっている
*8 我が家は灯油ボイラである

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Last-modified: 2014-11-07 (金) 07:07:16 (1378d)